留学生 → 特定技能の3つの移行パターン
日本の大学・専門学校・日本語学校で学ぶ留学生が、卒業時に特定技能1号に移行するルートは大きく3つあります。それぞれ準備の流れと申請タイミングが異なります。
- パターン1:技能評価試験+日本語試験 → 特定技能1号
- パターン2:技能実習を経由しない直接ルート
- パターン3:卒業後の特例期間を活用
なぜ留学生からの移行が増えているか
留学生の特定技能への移行は、雇用主・本人双方にメリットがあります:
雇用主のメリット
- 日本での学習経験があるため日本語コミュニケーションが安定
- 日本文化・生活習慣への適応が完了
- 留学中の働きぶりを直接観察できる(適性確認済み)
- 留学中のアルバイト先がそのまま就職先になるケースが多い
本人のメリット
- 慣れた職場で就職可能
- 友人・コミュニティが既に日本にある
- 住居・生活基盤の継続
- 長期的なキャリア(特定技能1号5年 → 特定技能2号 → 永住)が見える
必要な試験(パターン1)
1. 技能評価試験(分野別)
特定技能の対象16分野ごとに別途実施される技能評価試験に合格する必要があります。主な試験名は:
- 介護:介護技能評価試験+介護日本語評価試験
- 外食業:外食業特定技能1号技能測定試験
- 飲食料品製造業:飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験
- 宿泊:宿泊業技能測定試験
- ビルクリーニング:ビルクリーニング分野特定技能評価試験
各試験は年に数回、日本国内および主要海外都市(マニラ・ジャカルタ・ハノイ等)で実施されます。
2. 日本語試験
日本語能力試験(JLPT)N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2以上の合格が必要です。介護分野は加えて介護日本語評価試験も必要。
留学生は日本で学んだ経験があるため、N4・N3レベルはすでに保有しているケースが多く、技能試験の準備に集中できます。
申請スケジュール(卒業時に間に合わせる)
留学生が卒業と同時に特定技能1号に移行するには、逆算した準備が必要です。
卒業1年前(最終学年に入る前)
- 目指す分野を本人と確認
- 必要な技能試験のスケジュールを調べる
- 就職予定企業との接点づくり(インターンシップ等)
卒業半年前
- 技能試験を受験(不合格時の再受験余地を確保)
- 日本語試験を受験(不足分の補強)
- 受け入れ企業と雇用契約の予約締結
卒業3ヶ月前
- 在留資格変更申請の書類準備
- 登録支援機関と支援計画の策定
- 入管に在留資格変更許可申請を提出
卒業時
- 新しい在留カードを受領
- 就労開始
卒業後の特例期間を活用
万が一、卒業時に在留資格変更が間に合わない場合でも、以下の特例があります:
特定活動「就職活動継続」
大学・専門学校卒業者は、卒業後最長1年間「特定活動」で就職活動を継続できます。この期間中に技能試験合格 → 特定技能への変更が可能です。
申請中の特例期間
在留資格変更申請中は、現在の在留資格のまま最大2ヶ月の特例期間が認められます。
必要書類(在留資格変更申請)
申請書類は分野・状況により異なりますが、共通する主な書類は以下です:
- 在留資格変更許可申請書
- 顔写真(4cm×3cm)
- パスポート・在留カードの提示
- 技能試験の合格証明書
- 日本語試験の合格証明書
- 雇用契約書または雇用条件書
- 受け入れ機関の概要書類
- 登録支援機関との支援委託契約書(自社対応の場合は支援計画書)
- 住民税の課税証明書
- 納税証明書
- 給与明細書(過去のアルバイト分)
受け入れ企業に求められる体制
- 登録支援機関との連携契約(または自社で支援体制を構築)
- 同等以上の報酬(日本人と同等以上の給与)
- 1号特定技能外国人支援計画の作成
- 定期的な届出(受入状況・支援実施状況)
- 労働関係法令の遵守
実務上の落とし穴
1. 学歴と分野の関連性
技人国とは異なり、特定技能は学歴と業務の関連性は問われません。専攻分野と異なる分野での特定技能取得も可能です。例:商学部卒で介護特定技能を目指す等。
2. 卒業見込みでの申請
多くの場合、卒業見込み証明書で申請可能ですが、卒業証書の提出は必要です。卒業時期と申請のタイミングを綿密に計画してください。
3. 風俗営業等での就労禁止
特定技能でも、留学生時代と同様に風俗営業等での就労は禁止されています。
4. 帰国旅費の確保義務
受け入れ機関には、特定技能外国人が在留期間満了等で帰国する際の旅費を負担する義務があります(特定技能1号支援計画の必須項目)。
GLOWLINKの留学生キャリアサポート
株式会社GLOWLINKでは、留学生の在学中から卒業後の特定技能就労まで、一貫したキャリアパスをサポートします。
- 在学中のアルバイト紹介(週28時間以内で適性が見える業界)
- 卒業前の就職相談
- 受け入れ企業とのマッチング
- 提携の登録支援機関と連携した特定技能移行サポート
本人にも企業様にも、長期的に納得のいく就労を実現します。
まとめ
- 留学生 → 特定技能は3パターンの移行ルート
- 必要な試験は分野別技能評価試験+日本語試験
- 卒業に間に合わせるには逆算で1年前から準備
- 卒業後は特定活動「就職活動継続」で最長1年延長可能
- 学歴と分野の関連性は問われない
- 受け入れ機関は登録支援機関との連携が必須
参考:出入国在留管理庁「特定技能制度について」/同「在留資格変更許可申請」/同「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」